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●2013

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We cannot do great things. But we can do small things with great love.

私たちは大きいことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです。

                                                          − Mother Teresa −


2013年現在の日本では、犬の保護活動はほとんどが地域密着型の団体による全犬種(団体によって大型犬主体や小型犬主体など異なる)レスキューとなっています。そしてその地域は都道府県の一部から、関東や関西など、地域全体をカバーする場合もあります。
地域密着型というのは、その地区の住民による活動で、基本的に行政に収容された犬の引き出しや、同地区で起きた大規模飼育崩壊現場レスキューがメインです。 こうした活動は地域の行政とも懇意にでき、地域内ではフットワークの軽い活動をしやすいという利点があります。また土地勘がある地域であれば、預かりボランティアの確保などもしやすいものです。
ですが同時に大規模保護などが発生した場合や、自分たちの団体では扱いきれない犬種が収容されたときに見送るという苦渋の選択もしなくてはなりません。
あるいは、あまりポピュラーではない犬種の場合、その犬種特性に気付かないままの保護を行ってしまい、犬に負担をかけてしまう可能性も否定できません。
一方、ブリードレスキューと呼ばれる専門犬種保護活動は、ちょうどその逆となります。
例えば、その犬種の愛好家というのは、全国に点在しているので、全国的なネットワークを持つことができますが、特定の地域での密度はあまり高いものとは言えない現実があります。
これは、全国規模での情報チェックができるという利点がありますが、そこで直ぐに保護に移れるかどうかの人材的、現実的な問題があります。
ただしブリードレスキューには、一般保護団体には無い利点があります。 それは、その犬種に精通している人たちによる集団であることです。
普段チワワやシーズーなどの小型犬を主にレスキューしている地域団体があったとして、その地域のセンターに、ハイパーなグレートデーンが収容された場合、その団体は手に余る犬種に戸惑ってしまうことでしょう。
もともと小型犬を条件に登録している一時預かりさんばかりの場合、預かり先が決まらずレスキューを諦めなくてはならないかもしれません。
仮にレスキューできたとしてもどれだけの運動量や食餌量が必要なのか、それぞれの内容や質、方法に気をつけること、散歩時に気をつけることは何かなどは知らないと思わぬ事故に繋がってしまう可能性も少なくありません。
ですが、もしそこにグレデンレスキューの人がいればどうでしょう。
もしも預かり先がすぐに見つからなくても、適切なアドバイスと共に、レスキューする術を学ぶことになるでしょう。
もちろん逆もありえます。
大型犬やミックス犬しか飼ったことが無い人が、チワワ等の超小型犬を保護し、間違った世話の仕方で低血糖や事故を起こすこともありえます。
実際、こうした犬種特性に準じたものは、獣医師や訓練士ですら、その犬種を深く愛し理解し学びながら飼育してきた愛好家の知識や知恵には敵いません。
特に純血種となると、国内の繁殖者の傾向まで分かりますので、その血統やラインの持つ疾患傾向まで見えることも多々あります。
保護された犬の状態で、早期に手当てが可能になるということでもあります。
その犬種やグループ犬種に「非常に詳しい人の知識」は、犬にとって適切で優しく健全な保護を目指す場合、常に必要不可欠なのです。
ただし、気をつけたいのは、気負いすぎて必要以上に知識に振り回されてしまうケースです。 こうしたことは、初期の頃のブリードレスキュー参加者に良くあることですが、数回の保護活動でバランスが取れてくるものです。
実は、多くの一般保護団体にも同様のことが言えます。 活動を始めてあまり年数の経っていない活動家ほど気負いが強く、犬について詳しいのだということを自分に言い聞かせるかのように頑なな保護活動をすることがあります。
また、逆に経年活動家には、寄付金の使用方法や犬の保護方法など、自分の自由になる感覚に麻痺してしまう人も少なくありません。
それは、日本がまだまだボランティアや市民活動などに慣れておらず、寄付金などの扱いが曖昧で済まされているからでもあります。 「保護活動という『良いこと』をしているのだから、寄付金は自由に使って欲しい」という支援者も少なからず存在します。
そうした考え方は、保護活動を本当の意味での社会活動として定着させるのに妨げとなっていることを理解していただきたいものです。
なぜなら、動物の保護というのは、愛好家やマニアだけがやっていれば良いものではなく、国全体で考えるべきことであり、また愛好家でない人たちにも関わってくる公的問題だからです。
こうした背景を考慮しても、ブリードレスキューの存在意義が深く理解できるようになるでしょう。
例えば、保護の必要な犬が出たとき、その犬種に関わるレスキュー団体がまず保護を検討し、もしその地域にメンバーが居なかった場合、その地域の団体に連携協力依頼をすることができます。
そうなれば、その犬は、犬種レスキュー団体と、地域の団体の資金でケアすることができます。
一頭分であっても資金が出るのであれば、地域型保護団体にとってその分を別の犬の保護に回すことができるという利点があります。
実際、本当にその犬それぞれのことを考えてレスキューを行っている団体であれば、その犬種に詳しい団体に保護された方が、犬にとって利点が多いことは理解できますし、歓迎することは間違いありません。
逆に、日本のブリードレスキューの多くは、少ない人数で全国を対象に活動しているため、地域によってはメンバーの確保ができず、行政からの引き出しができないなどの問題を抱えています。
そうした時に、地域密着型の保護団体や、他の単犬種レスキューでその地域に支部を持つ団体があれば、相互補助として救出の可能性が高くなります。
すなわち全ての犬種にそれぞれレスキューが出来れば、地域密着型の全犬種保護団体も含め、救う犬の枠が増えることになります。
BARCは、それによって全ての犬たちが二重三重のセーフティネットで守られることを願っています。
BARCの役割として、各ブリードレスキューの情報交換の場として活用していただけるようになることを目指します。
例えば、各団体の抱える問題は、実は他の団体でも経験したことかもしれません。
相互関係が良好だとお互いあらゆる方面の情報交換を行うことができます。
譲渡会情報や、イベント情報、多頭飼育崩壊情報、最新獣医療情報、なども有益な共有情報となります。
BARCは個々の単犬種レスキューが、より活動しやすくなるよう情報アシストします。
BARCは原則的に情報収集・発信団体であり、犬の保護や引き取りは行いませんが、適切と思われる団体の紹介は可能です。
また、国内最大の犬種登録団体であるJKC(ジャパンケンネルクラブ)に対しレスキューの重要性を訴え協力を仰ぐことで、保護犬たちが直面する身体的、性格的他、様々な問題の解決へのエビデンス共有を目指しています。
さらに単犬種レスキューには不可避である登録団体との一定の連携を持つことで、レスキューに興味のある人たちだけでなく、全く無関係と捉えている飼い主の意識向上に尽力します。

March,2013

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